ソンスクレ まさに百のシークレット 比婆牛フェアに行きました ディナー 広島市中区中町


広島市中区中町にある隠れ家フレンチの「ソンスクレ」さんを訪れました。

ミシュラン広島の掲載店です。
駐車場は無いので、近くのコインパーキングを使いましょう。



ここ、若い人達がデートに使う用途では、広島でダントツかなと思っています。

ディナーだけでなくランチもされているのも使い易いです。
ランチだと比較的リーズナブルに利用できるので、20代の若者でも全然行き易いと思う。


今回は、広島県主催の比婆牛フェアを体験するために訪れました。

結果として、この店の、まさに店名どおりの「百シークレット(Cent secrets / hundred secrets )」に触れられるようなコースで、大変面白かったです。


いきなり、デザートかい!?ってびっくりした。


えー、デザートにしか見えないんだけど。


食べてみたら、冷製のガスパチョでした。
うーん、びっくり。
シークレット(秘密)という店名どおり、
見た目からは想像ができない料理を、
食べて秘密を解き明かす~というコンセプトだと思う。
そういう意味では、上の写真のコースメニューは、
食事の最初にお客様に見せずに、
「この封筒の中に秘密の答えが入っているので、コースを食べ終わってから、答え合わせに封筒を開けてみてください」
というプレゼンテーションをした方が、
より秘密が楽しめると思った。
例えば、東京のこちらの店なども、そのように食後に初めてコースメニューを渡すスタイルだった。


次はぶどうのタルト

なにも言われなかったら、いきなり最初からデザートが2品も提供された印象で、驚くだろう。



どう見ても、シャインマスカットのタルトにしか見えない。


しかし、なんと、これが比婆牛(ひばぎゅう)フェアの、比婆牛料理だと言うのだから、驚きだ!

タルトの中に「比婆牛を干し肉化したもの」が仕込まれておる。
干し肉なので硬さがあり、必然的に何度も噛むことになるので、
「干し肉(ビーフジャーキー)を何度も噛み締めて、肉から染み出す旨味」を味わうことができ、
今まで味わった事の無い、比婆牛の違う側面の味わいが見れて、大変面白かった。
干し肉はカラスミからインスパイアを受けたそうで、
カラスミの製法を用いておられ、焼酎の代わりにウイスキーを使用されていた。
よく生ハムにフルーツを合わせたりするけれど、
干して熟させた比婆牛の旨味に、フレッシュのシャインマスカットが、上手くマリアージュしていた。
その味わいを、更にワインで溶かしていく~というような、
バーでワインを飲むような流れが出来ていた。


大変面白かった。


比婆牛に合わせるために、お薦めされたワイン。


続いて、なにやらアミューズのようなものが供された。


この小ささなのに、アップで見ると、細かい手のかけようが解かる。

なんと、これも比婆牛料理というのだから、
どんな料理なのか、全く想像がつかない。
まさに秘密の料理だ。


食べてみると、カカオの中に、比婆牛のコーンビーフが包まれた冷菜となっていた。


チョコレートを合わせてあるのにも、ちゃんと味の面で意味があって、
比婆牛の油脂と旨味と塩気と、カカオの香りと甘味が、驚くほどマリアージュしていた。
シェフに「なんでこんな変わった料理を作ったのか?」と聞いてみたら、
主催である広島県から「サーロインやヒレ以外の牛肉部位の活用法を探りたい」とのご要望があり、
そのリクエストに応えて、どんな部位でも作れるような料理レシピを考案されたそうだ。
なるほどー、これはすごい!
広島県さん、ぜひこのレシピを吸い上げて活用してくださいよ!
商品化すれば良いのに!と思うくらい。


次はサラダかな。


見た目がオシャレな料理ばかり出て来るので、本当にデートにピッタリだと思う。


これは、なんと甘エビやクエのタルタルであった。
文章で書いても伝わらないと思うが、
エスニックに仕立ててあって、
これもかなり面白かった。
塩分の浸透圧の効果で、
スイカの汁や、甘エビやクエの汁が、染み出して混ざって、
そこにパクチーのオイルが混ざると、
即席のエスニックマリネが完成する~といった具合だ。



ワインに合う。



焼き立てパン



この料理を見た目だけで、当てられる人は、100人いて100人いないでしょう。



なんだと思いますか?


答えは、なんと、イカの印籠詰め!イカソーセージってやつだ。
豚肉とイカの、肉と魚介のハーモニー。
そこにクラシックを感じさせるイカスミのソース。
見た目の華やかさに反して、シェフがきっちりフレンチのクラシックを積み重ねてきた実力が解かる一皿であった。
近年の、若い人が作りがちな、見た目だけ映えるけど味わいの奥行きが薄っぺらなニューフレンチとは、全く異なる骨太さ。


岩ガキのソテー
前半の前菜類は、遊び心や驚きに重点を置かれていたが、
後半から、昔ながらの骨太クラシックフレンチが展開されていく。
前半と後半で明らかにコンセプトが異なっているのが解かる。




生で食べられる岩牡蠣を、しっかり火を入れて焼き上げてある。
この「きちんと火を入れる」というのが、フランス料理の美味しさの要素である。
火を入れた魚介の美味しさ、というものを楽しめる、大人のフレンチと言えよう。





マナガツオ
こちらもフランス料理の魚料理らしい仕上げとなっている。
王道だ。


メインは夏鹿
見ただけで、良い肉だと解かる。
他の比婆牛フェアのレビューでも書いたが、
今回、比婆牛使用は冷前菜縛りにしたせいで、
比婆牛を食べに来たお客様が、
比婆牛料理以降に、その店の本来のコースの姿をきちんと味わえる設計なのは、良いなと思った。


気分がアガる。
これを、上述のコースを食べ進む間に、じっくりと焼かれていた訳だ。
 ↓
 ↓
 ↓
そんで、焼き上がり。

はい、最高!




90年代に「肉焼き」で一世を風靡したフレンチの重鎮シェフのセリフに
「上手く焼けた良い肉は、見ただけで、もう美味しいのが解かる」
というようなセリフがあったけど、
まさに、そう思う。
見ただけで、超ウマいのが、伝わるでしょう。
ちなみに、ソンスクレさんでは、なんと、コンベクションオーブンすら用いず、
20~30年前の昔ながらの基本的な調理機器とテクニックで、全部お料理を作られているそうだ。
まるで北島亭さんやル・マンジュ・トゥーさんのようだ。




デザートは、もう、あまり秘密は凝らさずに、フィニッシュに向けてシンプルに。




デートでも、食後にスイーツを楽しみながら、まったりとおしゃべりしながら過ごせると思います。
お薦め店です。
ぜひ訪れてみてください。
過去のソンスクレさんの訪問レポートはこちら。
Cent Secrets ソンスクレ
広島市中区中町2-8 定休日:月曜
電話 082-569-8261
営業時間 ランチ12:00~12:30の入店 ディナー18:00~22:30 
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2 COMMENTS

通りすがりのダンボ

いつも記事を楽しく読ませていただいています。
間違いが気になりましたので、余計なお世話かもしれませんが
ご指摘させてください

cent=100です 因みにパーセントは、pour cent = /100
100につき という意味からきています。

1000は、mille(ミル)となります。

失礼いたしました。

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管理人hiro

>通りすがりのダンボさま
コメントありがとうございます!
ありゃ~、恥ずかしい~
教えていただきまして、大変助かりました。
修正しておきます!

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