レストラン・ミル（MILLE）ミシュラン星付き！古典だけども現代的なフレンチ！（広島市中区白島）

2018年7月31日

中区白島にある一軒家レストランです。
古民家改造型の店舗で、雰囲気が良いのでデートにも向いています。

ミシュラン広島で1つ星を獲得されているお店でもあります。

結論から書くと、かなり良かったです。お薦め店です。
飲食店というのは生き物なので「ブレ」があったりする訳ですが、
こちらのお店は、いつ行っても一定以上のクオリティをちゃんとお客に提供可能なオペレーションを実現されてるな、と感心しました。
文章で書くと「当たり前」と受け取る人もいるかもしれませんが、これがちゃんと出来てるって、けっこうすごい事だと私は思います。
「ハズしたくない」時に頼れるお店だと思いました。

ある日のディナーコース。

地タコ入りのラタトゥユ
よくある「ごった煮」のラタトゥユと違って、和食の「炊き合わせ」みたいに、それぞれの素材にちょうど良い火入れ・味付けをほどこした後に、合わせてありますね。
味がごっちゃにならず、1つ1つの具材の輪郭がクッキリしてて、レベルの高さを最初から感じました。

太田川の天然鮎の燻製とサラダ
鮎も美味しいけど、野菜やソースがいちいちウマい。

夏鹿のソーセージ、アスパラ、アスパラソバージュ、ガーリックソース卵黄添え
これも素晴らしかった。
私は、生卵の黄身は独特の香りが強すぎて扱いが難しいと思ってるんですが、黄身を漬け物にされる事でその卵黄臭さが消えていて、意味のある使い方だな、と思いました。

近年の多くのフレンチって、素材重視の結果のソースとの決別が主流になってきてて、ソースが添えてあっても「それソース添える意味あんの？」って皿も少なくないんですけど、こちらのお店は「ちゃんと意味のあるソース」がきちんと添えられていますね。
ヌーベルキュイジーヌを知りながら古典を回帰してるんですけど、実は回帰ではなく一周回っていて、これぞ「現代的」なフレンチだな、と思いました。

天然真鯛のポワレ　ブールブラン、イカスミ、レモンのソース
この鯛には、この日一番感動したかも。
このお店の方向性がすごく出てる一皿だな、と思いました。
「突き詰めてんなー」とマジで感心した。
鯛の皮、「こんくらい焼いた方がウマいだろう」て、思い切りよくシッカリ焼き上げてあるのに、身には火を通し過ぎてないのは、すごい。
3種のソースも重さと味わいをそれぞれ変えてあって、単に盛り付けの彩りのためだけに意味のないソースを使う店もけっこうある中で、味わい的にちゃんと3つのソースのコラボレーションに「意味あるな」って思わせられました。
ちょっと、すごかった。

オーストラリア産の仔羊背肉のロースト
これもね、一皿一皿、シェフは考え抜いてんだなー、と思わされましたね。
羊の独特の香りって脂にある訳なんですが、脂身と赤身をカットして分けてあるんですね。
「なんだよ、そんなことかよ」って思われるかもしれませんが、そういう誰でも思いつく事を、ちゃんと行動に移してるのが、やっぱり偉いな、って思いますよ。そこにやっぱり「感動」が産まれると私は思う。
そんで、ワインに合わせたい客のために、ほどよくトリミングした脂身も別途添えてあるのも、親切。