温野菜の一皿
ただの焼きナスや焼いた野菜が、驚くほどに美味で、たまげました。
そして「やっぱり、ジャルダングルマンさん、すげえ・・・」って感嘆したのでした。
西区古江にある、広島フランス料理の老舗店です。
広島が誇るべき、本物のグランドメゾンです。
ミシュラン広島の二期連続の1つ星店でもあります。
この日のメインは鴨胸肉のロースト
ある世代以上の広島人は、かならずこの店のフランス料理を通過してきた、といっても過言ではありません。
広島フランス料理界の先達と言って良いでしょう。
私も人生で初めて「フランス料理」を体験したのは、10代の時にこちらのお店でした。
スペシャリテの自家菜園の一皿
これは、カンテサンスさんの山羊のババロアと同じ意味を持ちます。
シェフからお客様へのご挨拶なのです。
竹島さんの国産水牛モッツァレラとトマトのジュ
当時、宮崎県時代の竹島さんのモッツァレラを、すぐに当店で提供スタートされていました。
このように、全国から優れた食材を、いち早く広島に取り入れていたのも、こちらのお店です。
もっと知られるべきだと私は思います。
吉田牧場さんのチーズも、広島で、もっとも早くこちらのお店が取扱われていたと記憶しています。
地御前の川崎さんの牡蠣フライ
春にフランス産のホワイトアスパラを愛でる、という文化も、
この店で体験したし、
ホタテとリンゴと柚子
ホタテとみかん
「ホタテ」を、人生で初めて「美味しい」と認識したのも、
こちらのお店でした。
フォワグラのソテー コーヒー風味
それまでフォワグラはむしろ苦手だったのですが、
ちゃんとしたフォワグラはきちんと美味しい、というのも知りました。
そういった、色んな自分の想い出が、このお店と共にあります。
私の中では「特別なお店」なのです。
ランチの訪問。
ディナーの訪問
こちらのお店は、昼と夜で、異なる2つの雰囲気を有します。
テーブル前の風景。
私はお昼の風景が好きで、よくランチで利用します。
ランチといっても「駆け足の昼食」ではなく、
休日に、ワインも頼んで、ゆっくりと贅沢なお昼を過ごすのが、
このお店の正しいランチタイムの利用法だと思います。
野鳥が訪れる季節が、特に心が癒されますね。
シャンパーニュで乾杯。
飲めない人にはノンアルコールのシャンパンもあります。
ピノノワール コート・ド・ニュイ Cotes de Nuits Roger Sauvestre ロジャー・ソヴェスター
ブルゴーニュの当たり年と言われる1999年のものです。
私は、フランス料理はワインと共にあるものだと考えているので、
ワインは飲めた方が、やはり楽しいと思います。
オマール海老 スープ仕立て
半生に火入れされた大ぶりのオマールは贅沢な味でした。
海老味噌の風味が溶けだしたスープと共に。
こちらも、付け合わせの野菜がいちいち美味しくて感動しました。
春だったので、ツクシが添えてあったりするのも、さりげなく嬉しい。
こういうメニューが普通にランチに楽しめたりするのです。
個人的な意見ですが、こちらのお店を楽しむなら、
ジャケットを羽織ってちょっとお洒落をして、
「今日はフランス料理を楽しむ日にするぞ!」って決めて、
ワインを飲みながら、3時間くらいはゆっくりするつもりで行くべきお店だと思います。
駆け足の食事に使うと、このお店の良さは分かりません。
その日に他のイベントも入れない方が良いと思います。
「ジャルダングルマンで食事をする」というのを、その日のイベントとして訪れるべきだと思っています。
フランス産の鶏とトリュフ等のキノコとバターのソース
私はそんなに鶏肉を美味しいと思わない人なのですが、
この鶏は悶絶するほどウマくて「やっぱジャルダンさん、すげえわ・・・」って思わされた一皿です。
私のお薦めとしては、
フルコースでなくて良いので、スタンダードコースに追加料金を払って、
メイン料理だけをちょっと良いものにしてもらう、というのがお薦めです。
上記の鶏肉もオマールも、そのようにメインのグレードを上げていただいたものです。
魚も肉も食べるフルコースだと満腹になり過ぎて苦しいので、
それよりはメインを一皿にしてグレードを上げてもらう方が満足度が高い結果になると思います。
ネット予約の際に相談すると、シェフがメールで相談に乗ってくださいます。
シェフが今のお薦めを提案してくださるので、
素直にそれに乗っかったほうが、満足度が高い結果になると思います。
追加料金の目安は+3000~5000円くらい払えば充分だと思います。
菊芋のスープ
浮き実も、焼き芋みたいに、ねっとり加熱した菊芋。
サツマイモのポタージュなどとはまた違った、ユニークな味でした。
大根とリンゴのスープ
ミルクの香りが活きた、優しい味で美味しかったです。
仔羊背肉のロースト
これがランチのスタンダードメニューで味わえるのですから、素晴らしいです。
仔牛のソテー
トリュフのように見えるのは、なんと黒コショウを板状に加工したもので、
いつ訪れても、新しい驚きを与えてくれるお店です。
老舗店なのに、料理が古くならないのがすごい。
いつも、ちゃんと新しい料理が出てくるのです。
和牛ステーキなど、
誰にでも食べ易い味も、ちゃんと用意されています。
前菜、スープ、メイン、デザート、というショートコースでも、
充分に楽しめると思います。
フォンダンショコラも、広島でいち早く始められました。
ココナッツのブラマンジェ
固さがユルユルの柔らかさで口当たり良く、レストランならではのデザートだと思いました。
イチゴのグラタン
私は焼いた果物ってあまり好きでなかったのですが、
火入れが見事で、これは美味しいと思いました。
2種のプリンの食べ比べ
生姜のフレーバーが利いていて、面白かったです。
何度となく通っていて、まだまだ写真があるのですが、
またの機会にご紹介させてください。
「レストランを楽しむ」という文化が、この店にはあると思います。
ただ食事をしに行く店じゃないんですね。
広島の名店です。もちろんお薦め店です。
ル ジャルダン・グルマン
広島市西区古江東町11-35
電話 082-274-4010
営業時間 ランチ入店12:00~13:00 ディナー入店18:00~20:30
定休日 水曜、第2・4火曜日
http://jardin1990.com/